新ビジョナリ・リーダーが拠点を訪問されました

2017/05/15


 今年度よりビジョナリリーダー(以下VL)が佐藤順一氏に、VL補佐が金子昌史氏に交代されました。4月24日(月)に両名が本拠点を訪問されました。
 まず、NIC_6階会議室にて畔柳PL及び森川RLから名古屋大学COIの取り組みについての紹介、説明を行いました。そのあと、情報基盤グループ、サステナブル基盤グループの視察およびNIC_1階車両実験室視察、DSの体験などをしていただきました。
 佐藤VLからのコメントを以下に掲載いたします。

 

 

【佐藤VLコメント】

1)9年間の長いプロジェクトでは、最初の思惑通りにいかないのが当たり前。重点テーマ、新テーマ、予算配分も変わるので臨機応変に対応していることを聞きたい。

2)このプロジェクトで何を社会実装するつもりなのか。財務省に説明に行くときの説明は、まず“こういうものができました”と言う。次に、“拠点としてきちんとやって、学生も人も育て、次のタネも出てきます”、という説明が私の基本的な考え方である。

3)商品と製品では求められるものが全然違う。おもちゃではなく、商品として社会実装しなければならない。更に研究として人を育てなければならないので論文を出す。両方とも行って欲しい。

4)動画のシナリオはよく出来ているが、高齢者や身体の悪い人の本当のニーズと、健常者が考えたニーズとがマッチしないことが多いので、気を付けて欲しい。

5)実際のニーズからくる問題を大学が参加しているのでサイエンス(学問)としてデータにして欲しい。単に文理融合ということではなく、この拠点の目的を解くために、この学問が必要、この法律論が必要というように必要なものが何かを明らかにして欲しい。そのようにしないと、若手が伸びない気がする。

6)住民の意思を解く問題をうまく文章・論理としてまとめ、発表して欲しい。社会実装のきっちりとした実験は中々ないので、社会実装を取組み、新しい人材を育て、世に出してもらいたい。

7)これから2~3のものをいつまでに実装するのかまず決めて下さい。決めたものが実装の過程でハードルが高く途中で入れ替わっても良い。これから5年以内に実際に実装しようとするとまさに商品化策なのでこれからのハードルは大変、きっちりターゲットを決めて行って欲しい。例えば、山間部でも良いので行政と話をして実際に入れてみて、新聞なりで発表をすることにより、このCOI拠点がいいね、ということになる。

8)これから若い研究者がポジションをとっていくには論文を書かねばならない。それは(開発とは)まったく別な仕事と考えて欲しい。開発のためのデータの取り方と論文のためのデータの取り方は、同じ装置を使ったとしても違う。そこをはっきり分けてこのCOIの中では両方を達成して欲しい。それは企業から参加している若い人も同じである。

9)まずあと2年で実装してみようよ。そうするとあとがやりやすくなる。今後、この拠点をどのように活かしていくかを考えて欲しい。ここに参画している企業にとってもモノ作るだけでなく新しい考え方(制度面も含めて)をつくることが大事だと思う。このような堂々とした公の研究では、1企業では難しいことが別の形で研究できる。そこをきちっとまとめれば論文や本が書けるのではないか。その考え方が世界のモデルの一つになる(例えば、名古屋モデル)。

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